▲厚生労働省は、2018年11月30日、アドバンス・ケア・プランニング(Advance Care Planning:ACP)の愛称を「人生会議」と決めて、11月30日(いい看取り・看取られ)を「人生会議の日」とし、人生の最終段階における医療・ケアについて考える日としています。 厚労省のホームページ←クリックには、動画や学習サイトがあり、分かりやすく解説されています。
▲ACPは、もしものとき(意思決定能⼒がなくなったとき)に備えて、自分がどのような医療やケアを望むかを、前もって考え、家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取り組みのことです。繰り返して行う対話の中で「自分の価値観や⼤切にしたいこと」が明らかになり、それに基づいた⽣活や医療・ケアの内容を話し合い、最期まで⾃分らしく⽣きることを⽀えるものです。
▲「転移(骨と肝臓)して7年」の方の想い。 (前略)仕事は亡くなる1カ月前までは大丈夫らしいと分かったので、頑張って続けるつもり。子供のころから続けてきた趣味もしびれで大変だけど続けるつもり。使える薬があと2つくらいなので、(どんどん効果が小さくなってきているので残念…)終末期の準備を淡々と行っていて、家族にあきれられているが、その日がいつ来るかは時間の問題。何においても慌てず、納得して行動すれば、悔いはないはず。泣いている時間はないので、やりたいことを“今”やれる範囲でやることが、こんなに長く共存していられる理由かもしれない。 ――【あけぼの岡山】のアンケート調査2020※、自由記載より
▲この方は、自分でACPを実践されています。心の余裕のある時に家族や医療者の方を交えて今後の治療などについて話し合うことは、自分の気持ちの整理ができて、今後の治療にも役立つと思います。
▲国立病院機構九州がんセンターでは、ACPを活用した意思決定支援が病院全体として取り組みが行われています。まだ、どこの病院でもACPの取り組みが行われているわけではありません。患者から医療者にACPのことを尋ねるのも大切なことと思います。 akebonokai.since1978@gmail.com
※前回の巻頭言で、【あけぼの岡山】のアンケート調査2020「乳がん体験者の振り返り基礎調査」の報告書が公表されました。その中の自由記載は「1.検診について、2.初発の方から、3.再発の方から、4.患者会・支え、5.さまざまな思い」の5項目に分類、編集されています。A4サイズの紙面33ページにぎっしり患者の想いがつづられています。