栃木の栗原みどりさん(中)、草野安子さん(右端)も<br>BC-PAPに参加しました. 川野(右端)(2023/6/30)栃木の栗原みどりさん(中)、草野安子さん(右端)も
BC-PAPに参加しました. 川野(右端)(2023/6/30)
去る6月29(木)~7月1日(土)、パシフィコ横浜ノースで開催された乳癌学会に参加して来ました。コロナの位置付けが2類から5類になったことで大勢の医療者や患者が参加していました。私の第一目的はBC-PAP(Breast Cancer Patients and Advocates Program)で乳がんの新薬と最新の治療法を学び、BC-PAPラウンジでは全国から集まった患者会のリーダーの方々と交流を深め情報交換をするためでした。

乳がんのホットトピックでは術前・術後の薬物療法を医療者と患者がどうやって決めていったらいいのかとか、新薬が次々と出てきて複雑化している薬物療法をわかりやすく解説して下さいました。トリプルネガティブや再発乳がんの治療薬が画期的に進化し、特にエンハーツは臨床試験で再発進行乳がんの生存期間を延ばせて、またHER2ロー低発現の患者にも使えるようになるという患者にとっての朗報も聞けました。

BC-PAPのセッションでも海外招聘特別講演がありました。
 Dr. Fatima Cardoso(Director Breast Unit, Champalimaud Clinical Center, Lisbon)先生が、「意志決定支援」の講演をしました。英語でゆっくりとわかりやすくお話しをして下さいましたので何とか理解はできましたが、最近の若い患者さんはユーモアのある話をされるとすぐに反応して、笑ったりして、みなさん、語学も堪能なんだと気後れしながら感心していました。
 専門用語や分かりにくいところは患者代表の桜井さんや寺田さんが通訳をして下さったので助かりました。「みなさんは、医療者の前では患者だけれど家に帰れば、それぞれが役割を持った生活者」という言葉が心に残りました。ヘルスリテラシーの考え方も教わりました。特に再発進行乳がん患者さんの治療に関しての意思決定支援は大切なのだと痛感しました。

会場の患者も参加しての乳がんトークセッションもありました。テーマは「臨床研究と意思決定」。まず、臨床試験とは、どのようなもので我々が今受けている治療はどのようにして確立したのかを教わりました。
 研究が始まり臨床試験を経て我々が恩恵を被るまでの時間が長いことに驚きました。がん対策推進計画における患者の位置づけが明確にされて、臨床研究に患者の意見を取り入れるPPI(Patient and Public Involvement)のミニレクチャーもありました。「私を抜きに私たちの事を考えないで、これからの道は私達も作っていく」患者参画は凄いことだと思いました。

――この続きは次回お送りします――