AKEBONO NEWS No9に掲載された記事です

 ニュースレターNo.4 で、2023 年2 月、背骨に転移、その後2 月に放射線を4 回照射したところまで書きました。3 か月後の5 月にCT 検査をしたら、がんは少し小さくなっていたが、すべて消えてはいなかった。脊髄に転移すると麻痺に繋がるので、放射線と共に全身の治療で、徐々に改善するようにするとのことでした。

遂に3 種のマーカーが全部基準値を超えてしまう
 治療はそれまでと同じベージニオとフェソロデックスを継続して行う。ベージニオは下痢の副作用が出る人が大多数で、外出時には控える食品も家にいる時は食べたり、少しずつ、いろいろな物を食べるよう心がけました。爪が薄くなって、直ぐに割れてしまうので、友人に奨められたジェルネイルを試してみました。爪のお手入れもして、何重にも塗って、爪をしっかりさせるので、割れなくなりました。
 治療前に指先で酸素量を測るとき心配でしたが2 年間一度も測れなかったことはなく、副作用で爪が黒っぽくなっても、ネイルをしていると判らないし、きれいにしているとテンションも上がる!こうして、副作用対策は出来たのですが、腫瘍マーカーがジワジワと上昇し続け、遂に3 種のマーカーが全部基準値を超えてしまいました。

27 年経って、がんが変異→トリプルネガティブに
 もう術後27 年になるので、その時の手術で採取した細胞では古過ぎるので、9 月に首のリンパ節のがんから針生検をしました。結果、トリプルネガティブであること、HER2 が+ 2 であることが判明、がんが変異していたのです。今までホルモン受容体陽性でホルモン療法がとてもよく効いていたので、びっくりしました。

11 月下旬から抗がん剤治療開始
 1 日にゼローダ(ジェネリック=カペシタビン)8 錠とエンドキサン2 錠の経口抗がん剤で、2 週間続けたら1 週間休薬。どんな副作用が出るのか、全く判らない中のタイミングで、新潟の代表を塚田真紀さんに代わってもらえることになりました。「治療に専念してください」と言っていただき、うれしく心から感謝しています。
 カルチャースクールのパン講座の講師も受講希望者が抽選になったり、キャンセル待ちになってしまったり(私、意外と人気講師!)申し訳なく、結局3 講座を担当していましたが、4 月からは1 講座にしてもらいました。生徒さん達が「また開講されるのを待っています」と言って、豪華な花束を贈ってくださいました。

副作用は思ったほどではなく、腫瘍マーカーも下がって来た
 手のひらと足の裏の皮が剥けてしまう以外はありませんでした。熱いものがダメでお風呂や洗い物の温度でもピリピリ。熱いものが入ったお茶碗も持てない。皮膚科で薬をもらっている。それ以外は大丈夫で、味覚障害や脱毛もありません。腫瘍マーカーも下がって来ました。ただ、1 か月で副作用が出たので、主治医から、抗がん剤の量を減らすか、2 週飲んで2 週休薬するか、どちらかに、と提案があり、私は迷わず「量はそのまま2 週間休薬」を選びました。
 素人考えですが、折角効いている抗がん剤を減らしたくないと思い、その治療は、今もずっと続いています。腫瘍マーカーは3 種とも下がって、正常値になりました。お薬代も前の分子標的薬に比べると安くて、ジュネリックもあるので助かっています。

詰まって、水も通らなくなった
 今年になって、食道が詰まって、水も通らなくなることがありました。1 回目は1日で治り、2 回目4 月2 日は、丁度私の満67 歳の誕生日でした。夫とランチに行ったお店で一口も食べられず、そのビルにあるクリニックを受診しました。
 実は、食道に詰まる感じは2 年くらい前からあり、そのクリニックで胃カメラをしてもらっていました。10 年ほど前から、胸のリンパ節に2cm 大のがんがあり、少し盛り上がったところの組織検査をしましたが、異常なしでした。こちらのクリニックでは検査はできるけど治療はできないので、がんセンターに紹介状を書いてもらって、その足でがんセンターの主治医の元へ。
 即入院、点滴、そして、検査。画像を見ながら、造影剤を一口入れると、胸のがんの所でピタリと止まる。深呼吸をしたら水が通ったので、次回こうなったら、入院の支度をして手術の覚悟をして来ることを約束して帰宅しました。

食道の中にまでがんが浸潤していた
 次の主治医の診察時に、「緊急入院、緊急手術は困るので計画的にしてほしい」と希望を伝え、5 月に入ってから、消化器内科に紹介していただきました。胃カメラ検査の結果、がん細胞が見つかる。食道の中にまでがんが浸潤していたのです。画像で見ると、ひだが寄ったようになっている。食道の狭窄を広げるためにバルーン拡張術をしました。麻酔で眠っている間に終わりましたが、もう一度行うと、もう少し広げることができるので、1 週間様子を見て、2 回目の手術も受けました。

まだ治療できることに感謝して、一日一日大切に生きていく!
 本当にがんは手強いし、しつこい。でも、普通に生活できているので、ありがたいです。今年も乳がんの新薬が発売になった情報が届きました。まだ希望を持って治療できることがありがたいです。これからも一日一日大切に生きていきます。

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