日時:2025年11月29日・30日
場所:大阪医科薬科大学 本部北キャンパス 看護学部棟
参加:200名 (患者・ご家族・医療者・研究者)
内容:がん患者学会に参加してきました
【全国のアドボケートと学び交流できた充実した2日間だった】
♥大阪医科薬科大学で開催された「がん患者学会2025」に参加してきました。患者・ご家族・医療者・研究者が立場を越えてみんなで「がんと共に生きる」という点で繋がり共に語り共に考えた内容の濃い貴重な2日間でした。
♥2日間にわたり行われた内容は、「研究への患者・市民参画(PPI)」、「高額療養費制度」、「AI時代においての、がん情報とのつきあい方」「SNSでの体験談の発信のしかた」等、今まさに必要と思われる内容ばかりでした。
セッションごとに質疑応答の時間がきちんと設けられていて自由に質問ができ、セッションによっては他の参加者とグループワークをしたりもしました。
【学んだことを少しまとめてみました】
◆「研究への患者・市民参画(PPI)」
先ずPPIとは何か、どんなことをするのかのお話がありました。
その後、グループワークで「医療や研究の中で、こうだったらいいのに・・・」という事を話し合い、それぞれのグループで発表をしました。出た意見を一部抜粋すると、
・がんサロンがもっと広がれば、アクセスしやすくなればいいと思う。
・立場をこえて声を伝え合う、企業が考えるところから一緒に参加できたらいい。
・治験へのアクセス、情報格差がまだまだある。
・広告規制や治療前の方に対しての薬の情報規制が多い。 などです。
患者の体験談として、乳がんで奥様を亡くされた方とGISTでご主人を亡くされた方が、それぞれ新しい治療薬を見つけて臨床試験を提案して、それを使えるように努力を重ねてこられた道のりを話して下さいました。
◆「高額療養費制度」
全国がん患者連合会が高額療養費制度で政治を動かしたときの話、国会に呼ばれて証人尋問に立って話をしたこと、石破総理にお会いしてお話ができたことなどの一連の報告を秘話共々話して下さいました。また高額療養費制度について、年代別、収入別、働く環境によっての違いや引き上げに対する多数回該当の盲点などをきちんと説明を受けて学びました。
超党派「高額療養費制度と社会保障を考える議員連盟」を立ち上げてもらって、患者のためにこの問題は、協働で取り組んでいくとの説明もありました。
◆「AI時代においての、がん情報とのつきあい方」
現代の情報社会、AI時代においては、患者側の『ヘルスリテラシーの向上』が求められる、というお話がありました。つまり、健康や医療に関する情報を、理解・評価・活用する能力を向上させなければならないということです。作成者は誰か、エビデンスはあるのか、などの客観的視点を常にもっておき、情報に振り回されないようにすることの大切さを学びました。
また、生成AIの得意とする分野、苦手とする分野のお話や、信頼できるサイトとして、「がん情報サービス」「地域の行政の情報」「日本がん治療学会」などのサイトが紹介されました。
◆「SNSでの体験談の発信のしかた」
①SNSを活用した治療体験発信の意義は、
自分自身の備忘録として、また、同じがん治療仲間と繋がり、励ましあうツールとして。
治療中のがん患者の生活がどのようなものか、医療者では分からない。
②継続した情報発信のコツ・・・
あくまで自分のペースで、なるべく短い文章、分かりやすい言葉をつかう。
ネガティブなコメントには、スルーすることも大事。
③医療情報の正確性を発信する上での注意点・・・
出典をきちんと明記する。個人的意見とエビデンスの違いを明記する。
専門用語はあまり使わない。
※失敗談としては、
・客観的な論文を載せたものが、患者を不安にさせる、傷つけてしまう。
・政治的な話をしてしまう。
【選ばれた団体として活動を発表しました】
♥患者団体の活動を話す機会を与えて下さいましたので、「あけぼの兵庫の活動」としてピアサポート・乳がん啓発活動・がん教育の3本柱の活動の様子を発表しました。
あけぼの兵庫の活動を話す時には、根底に流れているあけぼのspiritを話さないと
始まらないということで冒頭「あけぼの会」の話も織り込みました。。
【学び終えた感想】
♥参加を終えて感じたことは、『現代のがん患者は、自分の治療に必要な正しい情報を、賢く収集することが必要』だということと、『がん患者を取り巻く環境は、きっとこれからどんどん良くなっていくだろう』と希望がもてたことです。
♥主治医に言われたことだけを鵜吞みにするのではなく、自分のがんのことを理解し、積極的に主治医とコミュニケーションをとりながら、納得のいく治療をうける。そして、一人で抱え込まずに頼るべきところは周囲に頼る。がんと共に、少しでも「自分らしく」生きていくためのヒントが、この学会で沢山学べたように思います。
【報告者】あけぼの徳島代表 坂本 恵
akebono.tokushima.2024@gmail.com
副会長・あけぼの兵庫代表 川野 紀子
akebonohyogo@gaea.ocn.ne.jp