【あけぼの北海道】 講演会 2024
報告 菊地 真弓
日時:9月7日(土)13:30~16:00
会場:八軒会館(札幌市西区八軒1条西1丁目7-1)
参加:37名 (会員32名、一般5名)
演題:乳がんと向き合う みんなで学びましょう
講師:大川由美先生(市立札幌病院 乳腺センター長)
大村東生先生(東札幌病院 副院長)
永倉久泰先生(KKR札幌医療センター 放射線科部長)
三神俊彦先生(札幌ことに乳腺クリニック 院長)
今年の講演会は当初予定されていたワット会長が、マレーシアのクワラルンプールで、「アジア太平洋患者会」に招待を受け参加するためにいらっしゃれませんでしたが、4人の講師をお招きして開催し、有意義な会となりました。
▲会長からメッセージが届きました。内容は、マレーシアで日本の「あけぼの会」の歴史と活動を話し、「45年患者会を続け、今もなおその使命感と情熱を失っていない」と言うと、会場から驚きの声があがり、改めて「あけぼの会」のすごさを感じました。
▲4人の先生方からそれぞれのテーマでお話しいただき、参加者はメモをとるなど熱心に聞き大変参考になりよく勉強できました。
大川先生:《最近の抗癌剤の治療の考え方・抗癌剤治療中の防災対策》
乳がんサブタイプに応じて治療が行われるが、はっきりと分かれているのではなく、マーブルのように混ざっていてその中で多い性質が自分のがんと考え、可能な限り術前後・転移時に自分のがんを確認して治療に取り組むこと、治療中に災害に見舞われた場合の対策について話されました。
大村先生:《乳がん手術治療の過去、現在、未来》
紀元前4世紀から「がんは治療しない方が良い」という考えがあり、千年以上も治療しない時代、麻酔をしないで手術をする時代から進歩して麻酔をしての手術が行われ、手術でも方法が変わり手術で使う手袋やメスなどいろいろな産業の発達があって道具も進歩し、将来はロボットを用いて遠隔操作による手術が行われる時代が来るなど進歩していることを知りました。
永倉先生:《乳がんの放射線治療》
放射線治療は術前と術後に行うが、リンパ浮腫を減らすこと、手術の後のケロイドの予防にも使われている。そして骨転移による痛みを緩和することを患者さんの症例を紹介してわかりやすく放射線治療の効果を説明され、すぐには効かなくてもじわじわと時間をかけて効くことを実際に回復したお話を聞き、希望を持って治療に取り組む勇気をいただきました。
三神先生:《ホルモン陽性・HER2陰性乳がんの治療》
データを交え、大変詳しく説明してくださり、参加者には資料を用意していただきました。乳癌の治療はさまざまあるので、患者は医師、看護師、薬剤師とよくコミュニケーションをとり、その説明を理解し相談するためには患者会での勉強は大切であると痛感しました。
▲2人の会員から、体験発表があり、先生方から、自分の病気・治療をよくわかっていることに感心されるほどすばらしく、自分のがんと向き合う姿勢に励まされた発表でした。
▲会場から、質問がなされ、それぞれ、先生方は丁寧にその質問に答えて下さり大変参考になりました。特にベージニオの治療薬について質問が出て、副作用の大変さ、それに対応するため薬の量を減らし日常生活を出来るようにするなど継続して飲めるように考えられていて、医師・看護師・薬剤師と連携しているので自分の治療についてよく相談することが大切と思いました。
【参加者の感想】
・ワット会長さんから、講演される先生方と会員の皆さんに送られた温かいメッセージが胸に沁みました。遠く離れていても、ワットさんの存在を感じることが出来て心強かったです。
・体験発表で話されたお二人、先生方に質問された方々、どなたも治療が続く大変な状況の中で、ご自分の事をしっかりと話してくださった姿に感銘を受けました。
・同病の体験者の方から聞ける生の声がいちばん響きます。