日時:12月1日(土)13:30~16:30
会場:徳島大学医学部青藍会館1階大会議室
参加: 89 名 (会員28名、一般61名)
共催:あけぼの徳島/アストラゼネカ株式会社
座長をお願いした、とくしまブレストケアクリニック院長 笹 三徳 先生からは、「インフォームドコンセント」という言葉を今では誰でも知っているが、最近は、SDM(Shared Decision Making:意思決定の共有)という理念が広まっているというお話がありました。SDMとは、医療者と患者が治療方針を決めることにおいて対等な立場で目標を共有して、ともに力を合わせることです。
さらに3人の先生方から、最新情報を伺いました。
『リンパ浮腫を早く見つけて治療するためには?
~リンパドレナージを覚えましょう(実演あり)』
講師:リムズ徳島クリニック 院長 小川 佳宏 先生
各種のリンパ浮腫対応弾性ストッキングやスリーブを、実際に見ることができました。
また、クリニックのスタッフの方々が参加者に手技をほどこしてくれました。
『四国遺伝性乳がん研究会からの
新しい遺伝性乳がんの原因遺伝子の発見に向けた取り組み』
講師:徳島大学先端酵素学研究所プロテオゲノム研究領域ゲノム制御学分野
教授 領域長 片桐 豊雅 先生
遺伝子やDNAについて、わかりやすく軽快なお話でした。ブレーキ機能を活性化することによる乳がんの新たな治療薬の開発研究のお話は、希望を与えてくれました。
『乳がん治療最新の話題』
講師:国立病院機構四国がんセンター乳腺外科がん診断・治療開発部長 大住 省三 先生
最新版『乳がん診療ガイドライン2016』(大住先生監修)にもまだ載っていない、最新の研究による、薬剤使用のタイミング・順番と、新しい薬剤について詳しい解説がありました。遺伝性乳がんの予防法や、薬剤や治療法が日進月歩であることを強調されていました。
また、化学療法での脱毛を減らして元に戻るのも早いという、点滴中の頭部冷却についての、貴重な情報がありました。
最後に、私たちの乳がん体験として、術後14年、6年、6か月という、3名のあけぼの徳島会員が、それぞれの経験と今の気持ちを語りました。体験者ならではの副作用の対処法も話され、会場の参加者と一体となって話し合われました。
時代により手術や薬も違っていますが、経験者からは異口同音に「乳がんと診断されてつらいときに、あけぼの会に相談することで仲間から力をもらい前を向けた」という声が聞けました。
会場では、 医療用かつら・帽子の無料試着相談を開催するとともに、会員が自毛で作った部分カツラの装着を実演して、おしゃれをすることで心も明るく生活も前向きになることを話されました。
【参加者からの感想】
*リンドレナージはゆっくりと柔らかい圧力でマッサージすることが、実際に触ってもらってよくわかった。
*初めて参加したが、同じ思いを持ったたくさんの仲間に会えて、私だけでないと心が軽くなった。
*体験談を聞いて当時を思い出し涙が出てきた。頑張って、と心から応援します。
*ゲノムの話はわかりやすく、早く早く新薬が出てほしいと願った。
報告:あけぼの徳島 会員G awa_akebono@yahoo.co.jp