このシリーズをこっそり覗いてくれている日本の読者様のために、何でもいいから日記調に書くことに決めた、というのはウソ。他のブログを見ると、ものすごい量を連日書き続けている人がいるので、私も真似してみようかと思ったが、宣誓の自信がない。昨年夏、青森で、ある会員さんが「会長さん、ロイ・オービソン、私も主人と聴いているんですよ」というので驚いた。夫の部屋でW・ネルソン、K・クリストファーソン、J・キャッシュたちのCD‘ハイウエイマン’を聴いていたら、突然あなたのことを思い出しましたよ。
2月5日、寒い日の夕方、韓国の朴さんを羽田まで見送りに行って、国際線(チンケな)ターミナルで荷物預けて、また巡回バスで空港ビルへ戻って、お茶を飲んだ時の暗い空をなぜかふっと思い出した。私より10歳若い朴さんとは患者会関係で知り合って、生涯の友になった。やさしくて、気持ちのいい人。私の誕生日プレゼントに韓国から螺鈿調のミニテーブルを担いで来てくれ、家に2泊して、秋田の田沢湖に住む娘さんのところへ移動したが、その秋田で撮影された「アイリス」に放映ストップが掛かったんですって?
3月、諏訪の鮎沢さん家に2夜も泊めてもらった。ご主人がまたいい人で、柴犬愛ちゃんがかわいくて、12畳座敷でフトン敷いて寝るのが大名気分で、夜の10時に洗面器持っていく近所の温泉風呂があったかくて、諏訪の御宿は私の大いなる癒し。勿論、手料理も魅力。今年は6年に一度の諏訪大社祭、ねじり鉢巻で手伝うつもりがこちらへ来てしまって見物もできなかった。私に6年後はあるだろうか。かつては松本の清水さん家に泊めてもらいに行ったのだが、ご主人の具合が悪くなってから行ってない。‘あずさ2号’の沿線。
毎日のホーム出勤が唯一の日課。昼間1時間だけフイリッピン人のリリオという女の子(30歳)が来て、病人のストレッチをしてくれている。私も一人では時間を持て余すので、彼女の時間に合わせて行く。病人はこの人が来るとホッとするらしく、大抵目を開けている。栄養士の資格を取る学校へ行くために働いていて、宿題や試験勉強で寝る間もない。三日間、3時間ずつしか寝ていないという。寝不足でお腹すかしてかわいそうなので、いつも少しだが食べ物を運んでいる。我が子のようにかわいい。明るいので私も癒されるのだ。
昨日帰りに「今日はハッピー、何故なら満腹だから」と声を出して笑っている。ではいつも本当に空腹だったんだ。こんな時代にこんな人がいたなんて。なんだかいつも飽食気味の自分が恥ずかしくなってきた。だらしなくて、締まりのない腹回りと精神。とてもいや。彼女のような厳しさとひたむきさが懐かしい。将来この国で栄養士として働くために、頑張って、リリチャン。日本に「若い時の苦労は買ってでもせよ」という諺があるのよ。
帰国を5月9日、日曜発に決めた。大昔なら「10カツクムカエタノム」ね。成田を日曜に発つのはこの前の出国で懲りた。混んでいた。アメリカ、ヨーロッパ行きは日曜に出れば同じ日曜着、月曜からすぐ仕事が出来るから混むのだと思う。その点、日本行きは日曜に出ると月曜の夕方にしか着かなくて一日ロスする計算になるので、成田発ほど怖くない。イギリスリターンはオープンにした。あけぼの会の仕事がわんさか待っている。