●あけぼの会がまるで、富樫副会長とワット会長の体調報告に集中している会という誤解を与える最近のHPでございます。決して決して、そんな私的な患者会ではありません。乳がん患者会の名に恥じない活動を、そして、乳がん患者が社会で他の人たちと同じように堂々と胸を張って生きてほしいと願い、サポートする会として、30余年歩んできました。そうです、「再び、誇り高く美しく」。(最近、このフレーズをそっくり自分のブログで使っている人がいますが、これは私の特許名句なので、取り下げていただきたいのよ)

●あの3・11東日本大震災、被災地のみなさんのために、乳がん関連でどんな支援ができるか。まず、会としてできる範囲(会員が納得する金額)の寄付金を送りました。被災会員の年会費免除宣言も早々に出しました。この二つはあけぼの会として、ほぼ毎回してきたことです。乳がん患者に絞ったニーズに応えることも考えました。例えば、かつらやブラ・パッドなどの生活用品を集めて送ること。でもあれだけの大災害にかつらやパッドの部品ではなく、生活の根本を立て直す手助けをすべきと判断し、お金にしました。

●「生活の根本を立て直す」ための重要要素の一つは情報です。被災後、治療が継続できなくなった患者向けの情報を日本乳癌学会がいち早く学会のHPで流しました。そのことを池田正理事長先生が教えてくださり、それを「AKEBONO NEWS No.122」に活字にして、転載しました。「こんなときはどうしたらいいですか」という患者の基礎的な疑問に丁寧に答える「Q&A」方式でできていて、とてもわかりやすい解説書です。発送後、間もなく「助かります、ありがとう」の感謝の手紙が被災地から送られてきています。

●池田先生に見本をお送りしたら、「避難所に置いてもらえないか」、関係各所に確認を取ってもらいます、と言われたので、気の早い私は未確認の内にドンと増刷り、いつでも来いの態勢。先生は私の勢いに怖くなって「取り敢えず、自分宛に送ってください・・・」先生は「わざわざ増し刷りするならいいです」と遠慮されたのですが、「私たちはこんな時に役に立てる会でありたいのです、要らないなんて言わないで」とおねがいしたのでした。どうか、被災地で情報を待っていたすべての患者の手に渡りますように。

●そして、今年の年会費の振込み用紙の通信欄には近況報告が書かれてある。富樫さんと似た状況の人、他にも再発闘病中で、深刻な様子を短い文章の中に伝えてきている。そんな会員の声をピックアップして、レターに載せる予定。自分が一人でがんばっていることを知ってもらうだけでも、張り合いになりますよね。とにかく、がんは孤独。2月に御茶ノ水の杏雲堂病院へ富樫さんに付いて行ったとき、待合室にいた中年女性は再発治療中、かつらを被っていたので、きっとそう。一人ぽつねんと長椅子に座っていました。

●あけぼの会はそんな孤独な心を温めてあげる会でありたい。闘病中の患者にやさしさ、癒し、安らぎを与えられる会でありたい。私の希いで、あけぼのスピリットです。真に困っている人たちの役に立つ、これがモットー。決してお遊びの会でも私的な会でもない。日本に帰る日の朝6:50、これからシーツの洗濯などして、スーツケースを詰めて、午後4時には空港へ向かう。着いた翌日からすぐ働きます。その前に病院だった?そうでしたね。