日本のみなさん、こんにちは!久しぶりにロンドンからの便りです。

●7月30日(火)11:30に成田を出て、同日15:30にヒースローに着いた。たったの4時間で着いたかに見える。しかし、実際は11時間飛行、これが即ち時差。追い風に乗って、いつもの12時間半より1時間短かった。私は飛行時間が十数時間であろうが、気にならない。宙に浮いてしまえば、何も追いかけてこないからだ。地上にいる間は4.6時中、あれこれしなければならないことでがんじがらめ、いつも何かに脅迫されているような私の人生。だから飛行機に乗ってシートベルトを締めた途端、解放感に浸る。私は自由な雲上人。

●イギリスは寒い、これが第一印象だった。どうしよう、夏物しか持ってきていない。しかし、昨日はロンドンでも32度まで上がった。暑いのに慣れているので、そのほうがいい。息子もアレちゃん(パートナー)も働きに出るので、私は一人で大洗濯や大掃除をして、買い出しに行って、食事を作って、バカだな、と思っている。もっとリッチ感覚のお母さんなら、ホテルに泊まって、子供がいても夕食くらい一緒にレストランでして、あとは優雅に休暇を過ごすのだろう。私はと言えば、働いてばかりの貧乏性。

●国を出る前はもっと動いた。ニュースレター131の校正を2度して、あとはお任せ、この8日に全国の会員さんに発送される運び。23日の講演会の準備、猫のえさと砂を買いだめして、歯医者に通って帰国まで持たせる処置をしてもらって、ああ、死に物狂いとはあのことよ、一に体力、二に気力、三にハッタリと悟った1週間だった。昔60歳、今65歳の定年制の意味がわかる。ぼやきながら仕事をする年寄りははた迷惑だから家でゆったりすればいいのだ。時に自分がわからなくなる。私は誰?何をしているの?いつまで生きるの?

●このマンションの窓から赤い2階建てロンドンバスが見える。No.31は夫がいたホームに通うために乗ったバス、とても懐かしい。子供たちとみんなで一度訪ねてみようと言っている。あのころいたスタッフがいればうれしい再会になる。あのフィリッピン娘、覚えているだろうか、夫をミスター・アンドリューと呼んで、まるで自分の父親であるかのようにやさしくケアしてくれた女の子、彼女が先日この国のおまわりさんと結婚した。明日の土曜日に新郎を連れて会いに来てくれる。実の娘のようにかわいいので、待ちきれない。

●今こちらのテレビニュースは昨年3月に起きた悲惨な事件で持ちきりだ。4歳の男の子が母親と彼女の同居男に折檻の挙句、餓死に至った事件。首にあざ、腕の骨折、空腹でゴミ箱あさっていた、激やせ、など当時の悲惨な実態が次々と明らかになって、学校、医師、役所のどこかで何故救えなかったのか、当然、責任・辞職問題になって、これは児童虐待ではなく二人の大人による拷問だ、とも言っている。ただ、裁判で、救いようのない二人の男女が終身刑になった。この裁きが日本と違うところではないか。この国はちと違う。

●ロイヤルベビー誕生後の騒ぎを期待している日本のみなさん、こちらは至って静か、今は政治家が何を誕生祝に送るか、が問題らしい。たとえば、実が既に生っているリンゴの3年木とか。しかし、何であれ、豪州からの贈り物、ダーウイン野生公園のワニ、ジョージと命名されたワニのベビーには勝てないだろう、と、わざと、面白おかしく伝えている。

Mailto
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