AKEBONO NEWS No6に掲載された記事です

 
娘と仲良く写真館で
(2023/5/14 母の日に)

 今年(2023 年)3 月、脳転移が見つかり、同月、脳腫瘍摘出手術を受け、その後、サイバーナイフ治療、そして、今は全身のための抗がん剤治療を受けています。(右の写真は手術が終わり40日の入院生活を終えて退院したばかり。今の抗がん剤開始前の貴重ないっとき、まだ髪が元気な内にと、しっかり記念撮影)

2007 年8 月 極度の貧血になり近所の内科で治療を受けていました。9 月、たまたま右胸のしこりを発見。つまもうとしてもつまむことができない根が生えたような小さなしこり。治療中の内科に相談すると乳がんと分かったのでしょう、すぐに乳腺外科宛てに紹介状を書いてくださる。3 つの病院から1 つ、自分で選びました。自宅から近くだったのと、その病院へ貧血の検査に行くことにしていましたので。
 〃 11 月 右部分摘出手術、グレード1、リンパ節転移なし、ホルモン陽性、Her2 陰性、術後、放射線治療を受け、終了後ホルモン治療へ。

すっかり完治と思っていたのに
 2008 年3 月~ 2013 年までの5 年間、ゾラデックス注射をしました。1 年半の間は治療なし、経過観察のみ。私はまだ乳がんの恐ろしさについて十分な知識がなく、もうすっかり完治したつもりでいました。ただ、1 度乳がんの手術を受けると保険になかなか入れないということがわかりましたので、治療がない間、1 年経ったところで、入れる保険に入り、今となっては、これが大正解でした。
2014 年11 月 肺転移が見つかり、すぐに摘出手術。
 〃  12 月 アリミデックス服用開始
2019 年 2 月 左副腎転移が見つかり、
 〃  3 月 アリミデックス服用終了し、フルベストラント注射開始。
 〃  8 月 左副腎摘出手術。

ホルモン療法だけでは不十分
 私の場合、肺も副腎も生体検査ができない箇所なので、摘出して、がんの性格を調べることにしました。結果、初めはプロゲステロンに反応していたのに、全く反応しないタイプに変わっていました。これではホルモン療法だけでは足りないとのことで、
2019 年10 月 ベージニオ+アロマシン服用開始(2023 年3 月まで続けた)
 途中、副作用(好中球減少)で休薬になった時期もありましたが、CT 検査で転移が見つからない時期が続き、仕事も休まず退職まで働けてラッキーでした。ただ腫瘍マーカーはじわじわと上がって来まして、
2022 年7 月のCT 検査で、どうも左肩転移の疑い。ついに
2023 年1 月 左肩、肺転移出現
 この時、担当の先生が退職されることなどあり、転院することも真剣に考えました。
2023 年3 月 脳転移見つかり、すぐに2 か所を摘出手術。手術後の通院のことを考えて、転院はしないことに決める。この判断は、正しかったととても今思っています。
 〃 4 月~ 脳腫瘍の手術跡と他の細かい転移に関してサイバーナイフ治療。
 〃 5 月 全身のために抗がん剤治療開始(パクリタキセル+アバスチン)

サイバーナイフで治療開始
 脳は、抗がん剤が効かないそうで、今後は2 か月に1 度MRI 検査を受けてチエックしていただきます。小さい内に転移を見つけてサイバーナイフで治療するから安心してくださいと、力強い先生のお言葉をいただいて、ホッとしました。
 サイバーナイフの治療は、受けるほうからすると、治療の部屋でただ寝ているだけ。痛くも何もありません。時間にすると30 分以内ぐらい。私は5日間を2 回、休養を2日挟んで受けました。ただ金属音が結構気になって、ちょっと耐え難かったので、治療室の先生にお願いして、大好きなボーイズグループINI の曲をかけていただきました。治療室がコンサート会場となり、楽しく前向きに治療を受けることができました。担当の先生方には感謝しかありません。

脳の腫瘍が消えた──何かが起きたら、それに対処するという考えで
・現在(2023 年9 月)脳に関しては、腫瘍はすべて無くなっています。ただ、脳の手術の後遺症として、ふらつきがあるので、外出時など不安がありますが、私はあんまり悩むタイプではないので、何かが起きたら、それに対処するという考えでがんと共存しています。
 初めての抗がん剤も、肺のほうは消えているのもあり、肩のほうは進行が止まっていると
のこと効いているようです。

我が家は母子家庭、でもパートナーもいます
娘はやっと28 歳になったところ。まだまだ生きなくては。実は、私には献身的に協力してくれているパートナーがいます。今まで働きづめながら、やりたい事を沢山してきましたが、仕事を辞めた今は、娘やパートナーや友達とも、したいことが、まだいっぱいあります。副作用と闘いながら、頑張ります!

最後に
脳転移が見つかってパニックになり、転院しようかと悩み、気がついたら、ワットさんに電話をしていました。突然でしたが、私の電話をしっかり聞いてくださり、私はだんだんと落ち着いていきました。このことが今の前を向けた私に繋がっています。本当にありがとうございました。