実に37年ぶり!
今までは「29歳で乳がんになり〇〇年経ちました」が私の言葉でしたが、現在66歳で、昨年37年ぶりにまた乳がん(反対側)になりました。7月の暑い夏の日、左乳輪の近くに違和感を覚えて、触れて見ると何かある!柔らかいグミみたいな感触、まさか乳がん?近くの開業医に紹介状を書いてもらい、愛知県がんセンター副院長・乳腺科部長 岩田広治先生の初診受診にたどり着くことが出来て先ずは一安心しました。
コロナ下での入院手術
手術は大体2カ月後になる予定と言われ、さあ大変、コロナ禍の時期の感染対策として、私に出来る事、コロナワクチン接種を手術予定の約一カ月前の8月初めに済ませて、外出も最低限にして、自分自身がコロナに罹らないように必死に努めました。
そして病院から手術予定日決定の連絡が来てホッとしましたが、外出時には用心に用心を重ね、入院当日を迎えた時には安堵しました。1回目の時は、夫がいたので、夫に甘えて泣いて不安な気持ちをぶつけていましたが、今回は夫は亡くなっていて、いません。時の流れを感じました。今は夫の代わりに息子家族が心配してくれています。
母として息子家族に掛けた言葉は「大丈夫だよ」、弱音を吐くことは出来ませんでした。
優しい息子と彼のお嫁さんになり私の娘になってくれた子供達に心配させたくなかったからです。ただその母の愛にもブレーキがかかりました。そんな時、【あけぼの愛知】の仲間の存在が大きな癒しになりました。
術前検査で肺機能の数値が悪い
入院予定日1週間前に病院から電話があり、術前検査で肺機能の数値が悪いので、呼吸器内科と麻酔科とこれから主治医になっていただくK先生の診察を受けるように言われました。「手術出来るのかなぁ~」と不安になって来ました。
手術を受ける事自体は先生を信頼しているので怖くはありません。ここまで来て手術が出来なくなるのが怖いと思いましたが、私の知らないところで先生方も努力してくださり無事手術に至りました。感謝しています。6年前に患った肩甲骨骨髄炎の事もあり、私の66歳の人生には病気が付き物です。
抗原検査を受けて、陰性確認後にやっと入院
入院の日、息子に送って貰もらい、愛知県がんセンターに行きました。コロナ禍の今、同じ日に入院の患者が一か所に集まり、各自、抗原検査を受けて、陰性確認後に入院がOKになり、やっと入院になりました。手術前日にも抗原検査を受けました。病室でもマスク着用が必須で感染対策は万全、もちろん面会禁止、手術直後も病室に戻るエレベーター前で家族と数秒間会話が出来るだけでしたが、コロナ禍の今では仕方ないですね。今の時期、手術出来た事が幸せです。
水抜きに週一、2か月半通院
左乳房全摘後は痛みもほぼ無く痛み止めは必要ありませんでした。9月7日に入院、9日手術、14日退院、退院当日にドレーンを抜いて退院した事はビックリ!37年前に比べたら浦島太郎でした。退院後はほぼ週1でドレーンを抜いた後にまだ溜まっている水抜きにその後2カ月半通院しました。水抜きを担当してくださった先生方はとても良い人達ばかりで、お会いするのが楽しみにもなっていました。
しんどい思いはしましたが、私は術後の水抜きに通っているだけ、病院で見かける方々の中には抗がん剤など治療を受けている人もいるのだと思うと、私なんて贅沢な悩みだと思いました。そして、病気になったのが息子達ではなくて私で良かった、と思いました。
仲間ってイイ
年齢を重ねた分、冷静を装っていましたが、告知を受けた衝撃は昔も今も変わりません。
そして、【あけぼの愛知】代表の私が乳がん手術を再度した事で、会員のみんなはどう思うのだろう、今まで通り安心していてくれるだろうか。そんな事ばかり思っていましたが、みんなは優しい言葉をかけてくれています。仲間って良いですね。
今年9月に主治医の大好きなK先生の診察予約が入っています。もちろん何かあったらその前でも受診する事は出来ますが、9月に笑顔で診察室の扉をノックしたいと思います。
両側乳がんになりましたが、今すこぶる元気です。