あけぼのハウス東京(2016年3月27日)at 大橋会館
講師:土井卓子先生(湘南記念病院・かまくら乳がんセンター長)
講演:「乳がんとの上手な付き合い方」、テーマを絞って、「再発を一緒に考える」
●最初に司会の島崎さんから、「あけぼのハウスは2010年3月6日に始まり、今回までで1,746人の参加、25人の先生方,看護師さんの講演をいただいた」との発表がありました。
●「サバイバー」とはがんにかかった経験を活かし、前に一歩踏み出した人、ピンチをチャンスに変える人、と力強い言葉から始まりました。再発しても、治療しながら20年引っ張れたら、次の治療が出るかもしれない、肩の力を抜き上手に悪化を止める、再発患者さんにはそのように考えてほしい。自分のやりたいことをするための日常、その合間に治療が入るのであって、治療のために生きようとしない、と明瞭なお話が続きました。(先生のお母様、叔母様が乳がんという経験から先生の考え方が大きく変わったそうです)
●中には再発治療中の人もいたので、この前向きな言葉をすんなり受け入れてくれるかな、の思いもありましたが、先生の口からは、どんな負の言葉もプラスの言葉に変わって出てくるので、思わず「そう考えればいいのか~」と頷いていました。
●後半では、男性の乳がん患者(あけぼの会唯一の男性会員)を始め、質問が続きました。土井先生のファンだという医療ジャーナリストの方が、「土井節」を聞くことができてよかった、と仰っていましたが、「努力をして安全を勝ち取る」というパワフルな考え方を言葉の節々に感じ、これが「土井節」なんだ、と納得しました。
●最後に土井先生が、「学生の時ワットさんのことを知り、小児科医になろうと思っていたのを外科医に変えた、今日は初めて憧れのご本人に会えてハッピー!」と仰って、先生が学生の時、もうワット会長が存在していたことに驚き、時の積み重ねを感じ、一人の人の人生を変えた会長の生き方、存在をすごい、と思いました。
●小柄な先生のパワーが部屋いっぱいに満ち、身体中に染みわたり、すっきりした気持ちになって、これから辛いことがあっても強く生きることができそうな気持ちになれた一日でした。 (報告:宇田川光子・あけぼのハウス・レギュラースタッフ)