P1040156日時:3月4日(土)13:30~16:30
場所:神戸市立婦人会館 大会議室「さくら」
参加:37名(会員20名・一般17名)

内容:春の乳がん無料相談会
   ◆会場全体がセカンドオピニオン外来になっていた◆

 3月4日(土)に三好康雄先生(兵庫医科大学 乳腺・内分泌外科教授、診療部長)にお願いして「春の乳がん無料相談会」を開催しました。
いつも大きな講演会を主催した時に講演をお願いしているので、多忙な先生に相談医をお願いするのを遠慮していたら、会員から是非三好先生の相談会を開催して欲しいと要望があり先生にお伺いすると快く引き受けて下さったのでお願いしました。

 先ず初めに「診察ではないのでデータもそろっていないし、紙面上での情報とご相談なのでどこまで最適なお応えができるか分かりませんができる限りのお話はさせていただきたいと思います。」と誠実なお人柄の三好先生らしい挨拶をされました。

 事前に寄せられた質問や会場に来て書かれた質問の一つ一つを司会者が読み上げて、それに先生がお応えする方式で進行しました。個人情報を考慮して誰が質問したかはわからないようにしていたのですが、皆さんご自分から名乗り出て追加質問や確認をされていました。先生は患者と医療者で充分な情報を共有して治療を進めるShared decision making(共同意思決定)を常に言われているので、全ての質問に対してメリットとデメリットの両方をきちんと丁寧にお話して下さいました。

 新聞や地元TVのお知らせを見て、乳がんと告知されたばかりの人が何人か来られていて、全摘と温存手術の選択を決めなければならないけれど迷っている、全摘した場合再建する時期や方法等、最初の一歩を踏み出す相談もありました。37歳独身の方からは乳がんになったけれど治療後に結婚や妊娠が可能かと切実な質問もありました。

 遺伝性乳がん・卵巣がん症候群と診断された人からは、対側の乳房や卵巣・卵管・子宮の予防的切除や娘さんの対応とかの質問もありました。BRCA1やBRCA2で乳がんや卵巣がんになる確率の説明に加えて、卵巣がんは発見しにくく発見した時にはすでに手遅れということも多いので予防的切除は勧めると言われていました。

 閉経後のホルモン治療中の方はアロマターゼ阻害薬で骨密度が下がり骨粗鬆症の一歩手前と言われたが、ビスホスホネート剤やデノスマブで顎骨壊死が起こると聞いて心配だからできれば薬を服用したくないとか、再発骨転移で同じように薬を服用しているが顎骨壊死の頻度はどの位かと真剣に聞かれていました。ここで骨粗鬆症と骨転移に使う薬は同じで使う量や頻度が違うことを教わりました。

 次から次に出てくる質問に相談者はもちろん聞いている他の人も真剣そのもので、会場全体が大きなセカンドオピニオン外来の診察室状態になっていました。相談会記録はテープ起こしをして会員に配布します。

【参加者の感想】
◆主治医から示された治療内容と先生から聞いた回答が同じだったので、安心して再発治療に臨めます。ありがとうございました。
◆手術前に色々と聞くことが出来て良かったです。会員になりますのでこれからもよろしくお願いします。
◆初めて参加させていただきましたが、どれもセカンドオピニオンに匹敵する質問と回答だったので正直驚いています。先生が最新情報を組み込みながら答えて下さっていたので他の人の質問も聞いてとても勉強にもなりました。

 

【報告者】あけぼの兵庫代表 川野紀子
     akebonohyogo@gaea.ocn.ne.jp

 

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