日時 ; 1月11日(土)14:00~16:00
会場 : 心斎橋PARUCO SPACE14
参加者 : 7名(大阪4名 兵庫3名)
後藤 典子先生 金沢大学がん進展制御研究所
「乳がん発症と悪性化の仕組み」
増田 慎三先生 京都大学医学研究所乳腺外科学
「一人ひとりに最適な乳癌診療のすゝめ」
あけぼの大阪からは、4名参加させて頂きました。
受付を済ませて、会場に入り座席に着くと、安田記念医学財団の事務局長 宮本幸男様が、私の席までご挨拶にお越し下さり恐縮しました。
兵庫からは、川野さんと会員のご夫婦が参加されていました。
研究者の後藤先生のお話は、治療のお話とは違って、「乳がんの発症と悪性化の仕組み」乳がんがどのように成り立って、悪性化するのか、乳がんその者のお話で、興味深かったです。
日々乳がんと向き合って研究されているんだと言う事が分かりました。
増田先生は、「一人ひとりに適切な治療のすゝめ」と言う内容でのお話でした。
先にご講演された、後藤先生の内容にも触れながら、また分かり易くお話して下さいました。
新年早々、良いお勉強が出来ました。ありがとうございました。
[報告:あけぼの大阪 代表 中田 圭子]
E-mail : akebonoosaka@yahoo.co.jp
【参加者の感想】
●一人の先生は、研究者。もう一人は、臨床現場の外科医。それぞれの立場で最新の情報を、分かりやすく説明されました。
特に記憶に残ったことは、リンパ郭清した方の腕で採血できること。点滴は駄目だそうです。私は、採血が大変なので両腕使用可は嬉しいです。それと、10年毎日服用するホルモン剤は、6年目から休薬して使う方法が、再発を防ぐ一助になるらしいとのこと。
医学の世界は、奥が深く、患者としては、頼もしい限りです。
こういう市民講座は、機会があれば、これからも参加したいと思いました。
●金沢大学の後藤典子先生のお話
以前は、乳がんは普通の細胞が癌化して、それがどんどん増えていくと考えられていた(ハエ社会)が、そんな単純な話ではないことが分かってきた。
乳がんの幹細胞は抗がん剤の後も生き延びて体が弱ってきた時に再び活発化することがある。乳がんの幹細胞は女王蜂に例えられる。女王蜂が生き延びていれば、またハチ社会(乳がん)が復活してしまう。
抗がん剤に耐性を持ってしまった乳がん幹細胞(女王蜂/DTPs)
FXYD3,FRS2を弱めることで、乳がんの再発を防ぐことができるのではないかと考えられる。また運動することは乳がんの再発を抑えることに役立つ。
ハチ社会とハエ社会という比較が面白かったです。
京都大学 増田慎三先生は、笑顔でとても優しい口調でお話をされる先生でした。
ラジオ波焼却治療は2023年から保険適用になったそうです。(1.5cm 以下の癌)
非浸潤癌であっても全摘が必要な場合があるそうです。
難しい言葉も多かったけど、最新の知識が得られるのは嬉しいですね。
●がんの研究者の先生のお話をお聞きするのは初めてでしたので、難しい内容でしたが、とても興味深かったです。
ヒポクラテスが、乳がんを切除した断面をみて、Cancerと名付けたとの事。カニ座という意味もあり、断面が似ていたからとのことでした。初めて知りました。
抗がん剤治療でがんが消えたように見えても、悪玉のがん幹細胞だけが生き残り、(冬眠状態)後に再発すると考えられること。
市民公開講座に参加させて頂いて、いつもとは違う目線のお話でとても勉強になりました。有難うございました。