生田緑地(神奈川県川崎市)<br>撮影:斉藤純代(2019/6/9)生田緑地(神奈川県川崎市)
撮影:斉藤純代(2019/6/9)
先回、温泉、「大半が顔なじみの会員さんたちだった」と報告した。だから再会を懐かしみ、和やかな1泊旅行だった。と、ここまではいいのだが、私の中では複雑な煩悶があった。「がん患者会は温泉愛好会ではない」3、40年も前なら、乳がんなら、みな全摘と決まっていたので、手術をしていない人と大風呂に入るのは、かなりの抵抗があった。だから、あけぼの会では他のお客の風呂開始の2時間前、12:00~14:00までを貸切りで会員だけにしてもらった。これが好評で、遠路でも大勢が参加、毎回参加と決めている人もいた。

しかし、今は違う。参加者が激減して久しいのだ。その理由の一つに温存手術の普及があると思われる。外観がそう変わらないので、他の人と一緒でも余り目立たない。また、患者の感覚も変わってきていて、少しくらいわかっても平気、という悠長さが感じられる。そして、一般人の見方も変わってきている。乳がんの知識があり、手術のことも知っているので、見てもそう驚かない、ように見える。それともう一つ、今の若い人たちは知らない人と裸で風呂に入ったり、同じ部屋で寝泊りするなんてイヤなのではなかろうか?

患者会は社会に必要とされる集まりでなくてはならない、といつも思っている。だから、身内で温泉に入って、団欒して、ご馳走食べるなんて、お遊びではないか。いまの時勢に合わない旧態依然ではないのか。これが私の煩悶。ただ、みながみな、がん卒業生ではなくて、中に深刻な闘病中の患者もいる。そういう人には一瞬の解放、安らぎになっていることも確かなので、一概に無意味とも言えない。患者会はそんな人たちのためにあってもおかしくないからだ。大仰に言うなら、いつどうなるかわからない人だっていたりする。

●東京の集まりにも術後まだ数ヶ月という人がいて、毎回来て、とても勇気付けられると言う。「みなが明るいから」だそうだ。意識しているわけではないが、あけぼの会は暗くはない。再発闘病中の人にも驚かされる。脳転移までした林さんという会員はニコニコして、「会長さん、どうぞ」といつも私の面倒を見てくれる。逆なのに。とにかく、みながやさしい。思いやりの精神に私が感動している。やはり温泉旅行も含めて、患者会は「困っている人のため」の原則を忘れないなら、続けてもいい、続けなければいけない、という結論で、今日の煩悶は一時休止しようと思うが、いかがなものだろう?   ワット takakowatt@gmail.com

補足
本日の〈あけぼのハウスやまぐち〉では、2度目の参加者2名が入会されました。お2人とも厳しい治療を継続中ですが、「ここに来て気持ちが救われました」と笑顔で語られていて、私たちも嬉しくなりました(和崎)

●緊急お知らせ!! 7月12日の「患者セッション」ほぼ定員に達しています。定員(170)になり次第、締め切りさせていただきますので、この非情、ご容赦ください。  

今日の一首:お休みします→浮かんでこないスミマセン(これは句ではありません)

※生田緑地(いくたりょくち):神奈川県川崎市多摩区枡形、東生田、長尾、および宮前区初山にある都市公園(総合公園)
 公式HP←クリック

🎀 2019年 ワットさんのスケジュール 🎀
 1月   神奈川 (1/27・新年会)& 東京(1/30・ランチ会) 終了
 2月   静岡    (2/16・新年会)  終了
 3月   東京  (3/3 ・ミニ講演と相談室)埼玉 (3/9・乳がん講演会) 終了
 4月   徳島    (4/7・あけぼの徳島30周年記念大会) 終了
 5月    東京  (5/11・あけぼのハウスin東京& 静岡(5/12・母の日ランチin清水)
 6月   新潟  (6/9〜10・いで湯の旅)愛知(6/23・講演会2019)
                  東京 (6/24・あけぼのハウスin東京)
 7月   東京 (7/12・乳癌学会患者セッション)福岡  7/28・九州大会2019)
   8月   
 9月   札幌    (9/14・講演会)
10月   愛知  (10/5・全国大会in名古屋)
11月   
12月   

バナー広告

とどくすり

共同文化社

コム・クエスト