大雪山旭岳の紅葉<br>撮影:久保怜子(北海道)2021/9/15大雪山旭岳の紅葉
撮影:久保怜子(北海道)2021/9/15

今朝は台風の影響で早朝から大雨、地面を叩きつけるような雨とはこのことかと暫し見とれる。それでラジオ体操公園行きは堂々とお休み、ホッとした。おかしなことに公園の常連はみな雨が降ると喜ぶ。自分の健康のために、頼まれてもいないのに来ているのに、来なくていいとなると喜ぶ。やはり毎朝、サボらないことを自分に義務付けしているので、それから解放されるとホッと一息するのだろう。今日はこの世田谷公園のお話をしよう。

自称、ラジオ体操の女王、公園の高い位置の中央で、そばに人を寄せ付けない雰囲気を漂わせて楽しんでいる。もう20年以上になるか、公園の友も増えたが、亡くなった人も数いる。こんな時勢、公園だけが外出先という日が続いているので、短時間だが、顔見知りの人たちとあいさつを交わし、会話ができることをありがたいと思っている。

入口近くで毎朝会うのは映画好きおばさん、開口一番「ヘップパーン、よかったわねえ」「そうねえ、よかったわねえ」と見なかったのでも話を合わす。この人は初めのころ私に「いつもやさしさをありがとう」と言った。エッ?あなたにやさしさ上げたって?「とにかく話をするだけでやさしさが伝わってくるんです」と言う。こういうのって、ほんわか、うれしくない?無意識にやさしさを振り撒いている人、昔、会長さんだった私。

他にいつもバドミントンをしている二人の中国人の男性たち。「ザオシャンハオ・早上好」と教えてもらった中国語で挨拶をし、短い会話を交わす。その一人が膝の手術を最近したのだが、「どう?」と聞くと必ずズボンをまくって傷を見せるので困っている。またフィリピン人の女の子が3人、40は過ぎているのだが、「マガンダンウマガ」と教えてもらった「おはよう」を言い、英語で会話を少々、スマホで写真を撮ってあげたりする。

体操の前に雀に食パンを細かく千切って餌をやる10分間が最も楽しい時間、定位置があって、そこに近づくと、待ち構えていた雀たちが一斉に飛んで来る。時には優に30羽.私を覚えてくれている。実は鳩にもこっそりパンをやるので覚えていて、体操をしている間中、周りをぐるぐる回っているが、見つかると怒られるので、大っぴらにやれない。ロンドンのトラファルガー広場でも行って見てきて、と言ってやりたい。

そして、犬。ダンテというジャックラッセルテリア犬、頭がいい。ダンテと私は真の恋仲で、会えば双方駆け寄って喜び合う。犬の主がいつも赤Tシャツを着ているので、その赤を見ると猛ダッシュ。他にも犬種がわからない犬たちが4,5匹、親愛なる友達だ。

そして、つい最近知り合った人、この7月に夫をALSで亡くした。1年間の看病で8キロも瘦せた。私の名作「ALS物語」を読んで「主人を亡くして途方に暮れている時にワットさんにお会いでき気持ちが落ち着きました。発症後1年半、進行の速さに周りは驚くばかりでした。ご本は大変読みやすく、何より書かれていることが私の体験そのものです」

私のこと、そうだ「ALSで家族を亡くした家族の会」を立ち上げようとなって、すぐにこの奥さんに提案したら「そうしましょう」と意気投合。また、新しい会を始めますよ。 ワット  takakowatt@gmail.com

今日の一首:
訪うたびに紙袋詰め待つ母は 迎えに来たと決めてホームで   
 

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