●「今日はいろいろありがとうございました。夕食後から寝てばっかりです。11時過ぎにメールに気付きアップしました。それではまたお休みなさい」のメールを朝5時に発見。いい写真付きでアップされていました。そう何を隠そう、あの人が入院してからアップされていた会のHPはすべて、病人本人がしてくれていたのですよ。事務所でできる人があの人しかいない。入院中もベッドで仕事をさせる会長って人間なの?やはり出勤はこたえたか「寝てばっかり」数えてみると入院以来17日ぶりの外出でした。

●夕べの内に見つけた栃木の栗原さんからのメール「ワット会長さま今、HP拝見しました。富樫さん、事務局にご出勤されたとのこと、良かった~。何だか、自分のことのように嬉しい!!ご報告ありがとうございます。とても病人とは思えない、良い写真ですね。会長さんをはじめ、全国のみんなが応援している、なんと力強いことでしょう。このまま、回復されることを祈っていたいです。(カメラ音痴の私の腕もなかなかです?)

●お仕事はあけぼの会が目下作成中の「2011年全国会員名簿」の点検。今まで名簿作りは全部一人で受け持ってくれていたので、慣れた目つきになっている(写真)。見よ、この真剣さ。でも思うようにはかどらない内に時間が経って、帰院は2時と電話を入れました。

●そもそも今日の外出は三日前、血液検査結果次第では可能、とほのめかされていたのです。それで、気の早い私は、では明日来れば?と28日に言い残して帰った。きっと無理だろうと諦め半分、緊張半分で待機。朝がた、やはりカルシウム値が下がらない、との報告。「それは仕方がない、で、先生はなんて言っているの?」「自分で決めてって」「あら、そう、じゃ来れば?」と私。無責任でしたでしょうか。でも、来たいなら今、延ばしても、後で数値が下がる保証はない。だったら、完全ストップがかかっていない今なのよ。

●しばしの滞在のあと、事務所を去る彼女の後ろ姿を見るのはいやで、私が先に出た。目黒川の桜は散り果てて、みどりの葉っぱだけ生い茂っている。事務局へ通い始めて10年間、ここの桜を見なかったのは今年が始めてね。帰りのタクシーは、運転手さんに道順のリクエストをした。青山通りを行って、皇居のお堀端、そして、朝日マリオンの前を通ってちょうだい。来るときは六本木を通る道だったと聞いて、この道順を通って思い出の箇所を見せてあげたかった。

●「10月、マリオン、今年は16日、だいじょうぶ?」「はい、それを第一目標にします」きっとそうして。奇跡は起きる。表参道はおととしのクリスマスにライトアップされた通りを二人で歩いた。人でいっぱいだったけど、一度見たかったのよね、と言いながら歩いた。そして、何より、朝日マリオン前を通過するときは切なかった。ビルの正面上の大時計が2時5分前を指していて、あと5分で、あの飛び出る人形ミュージックショーが見られたんだ。舞台に立つ富樫さんは(体格もよく)堂々として、見栄えも声もよかった。

●普通の人なら、とても外出など想像もしない体調で外出を決行した。意思の強さ、思い切りの良さ、自分を信じる力、見事な執念。もう一度、あの自分の場所に座って、自分のパソコンを打って仕事をしたい、という願いがかなった。短い時間だったけど、よかったよかった。私はね、それが何よりうれしい。次回はこっそり抜け出して来る手もあるよ、富樫さん。

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