富樫さん、待っていてね。

2011年5月2日

●全国のみなさんに申し訳ないのですが、私は今日（2日）突如、イギリスへ向けて飛ぶことに。早く行って、早く帰ってこようと決めたからですが、何より、フェニックスさんが急に元の元気を取り戻して（こうして書いてみると元気とは元の気だったんだ）、連休中に退院？の望みを抱いているほどです。確定は今日の血液検査の結果次第なのですが。先日の休日出勤はさすが疲れて、帰るとすぐバタンキュー、しかも血圧がどっと上がっていたそうです。でもいいお顔で仕事をしている風景は富樫ファンを泣かせたでしょう？

●私の夫はもう何回も書きましたが、ALSという知る人しか知らない難病に罹って、5年半になります。ALSを知らない人は「ワットさんのご主人はがんではないんでしょ,家のはがんなのよ」なんて、心無いことを平気で言います。病にどっちがいいか悪いかは,　ない。富樫さんとMr. Wattを較べるのですか。やめてちょうだい。どんな病も病とは酷、その一語、健康人はそれを知るべきです。病人の心は想像しかできない、だから無駄な言葉は吐かず、じっとして、自分がその人にふさわしく謙虚であるか、心の奥を確かめることです。

●富樫さん、私の帰りを待っていてね、あなたと私は何より価値観が同じ、だから判断も似ていて、どんな時も決断が早かった。今回の私の再変更もすぐに「会長さん、早く行って、ご家族のみなさんに会ってきて」と言ってくれました。そうなのよ、あなたのご主人が毎日のように病室に来ているのを見ていたら、私も急に夫が一人いたのを思い出して焦ったというわけ。ロンドンはイタリアへ会議で行った帰りに立ち寄りましたね。家のアパートに泊まって。もう5年前になるか。円安で、1ポンドが260円もしたころだった。

●何より問題はカルシウムの数値です。連日1500ccの生理食塩水と朝夕2回の下げる薬と口からバンバン飲む水分、これを辛抱強く続けているのに一向に下がってくれない。でもジェムザールは効いて、胸の辺りの圧迫感は取れてぐんと楽になった。ただ嘔吐はあり。これは副作用でしょう。今日の結果は吉と出るか、出なかったとしても、後日退院もありですから、ここはじっくり焦らない。住み慣れたお家に帰りたいよね、わかる。帰心矢のごとし、主婦は特に自分の家が恋しいもの、これは男にはない思いではないかしらね。

●今、朝の6時55分、そろそろ、出かける最後の締め上げをします。7時半に家を出て、渋谷から成田エクスプレス、荷物は夕べのうちに宅急便で出したんですが、フリーザーのたらことか筋子とか、手で持って行くものを詰める。あっちに行くと、こんな塩分ものばかり食べたくなる。あなたも様子見ながら食べて、栄養付けてね、吐くのは体力消耗だから。夕べはトンイ（NHK の韓国ドラマ）4回目、見ましたか、好きですねえ。

●「フェニックス便り」は元気を取り戻した本人が自分で書きますと約束しました。ですから、ファンのみなさん、安心して、期待して。「ベッドでパソコン」の写真も付くらしい。

余談です。私のかわいい猫ちゃんがよろよろして、まっすぐ歩けなくなった。年に不足はないのですが、この猫とのしばしの別れもちょいと辛い。

それではまた向こうから、今度はいつものロンドン便りを送りましょう。