今日は、文化の日。35周年大会を終えて、1週間、ホッとして、気が抜けたままいる。

明日は決心して、佐渡の母親に会いに行って来ることに。98歳、一人住まい、今は毎日ヘルパーさんが来て、3食食べさせてもらっているという。身内が行くと、ヘルパーが来ない、とか、ルールが厳しくて、ヘルパーに見つからないように、こっそり行くのが難しい。日本はこんな細かいことまでいちいち規則を作る。掃除も本人が使うところだけに限定とか、当然だが、以前帰省した時、使ってない部屋にネズミのフンがあって、悲鳴を上げた。

さて、大会報告の続き。あけぼの会では毎回、参加者を県別に紹介する慣わし。これが好評。始めた理由は簡単で、まだあけぼの会が生まれる前に私が名古屋国立病院の乳がん患者会(今思えば、かなりの草分けだった)に一人新幹線に乗って行って参加した時、私が東京から来て、会場にいることを誰にも知ってもらえないまま、とぼとぼと帰ったあの思いを他の人にさせない、と考えたのがきっかけ。県別と言っても大勢で、時間が限られているので、〇県は何人、というまとめ紹介ですが、県から一人参加の人は特別に讃える。

また最後に男性だけ立ってもらって、みなで拍手をする。この拍手には純朴な歓迎の気持ちが込められていて、場内が和む。やはり奥さんにお供して、断然女ばかりとわかっている集まりに来る日本男子はエライ。その勇気と思いやりの精神をほめてあげる。日本は、奥さんが付いて行ってもハズバンドが付いて来てくれることなど昔はなかったこと。

今年21人参加だった静岡は毎年全国大会のためにサプライズを作ってきて、「静岡」の番になると、それを高く掲げて、見せる。せっせと夜なべで作ったと想像すると気持ちがうれしい。

永さんが出番より30分も早く現れて、驚いた。あの人は待つのが何よりキライ。昔なら、休憩時間でも飛び出して行って、話し始めて、本番に入ったもの。しかし今は「パーキンソンのキーパーソン」、車いすにちょこんと座っている。30分もお待たせるわけにいかない、「永さん、すぐ出る?」の一言で、会場係りにお願いして、出てもらった。みなはうれしい番狂わせ。通常、会場側は、打ち合わせ通り進行しないとすぐに怒る。しかし、今年は鷹揚で何も言わなかった。ありがたかった。こんな時、機転を利かせるのもやはり即断力。

いつものことだが、大会委員長の斉藤さんから「会長、時間が何分押している」「時間が何分余っている」とか、伝令が飛んで来る。「うまくやるから」と調整しながら進める。これだって技術。今年は予想もしなかった私の子供たちのビデオレターが流された。場内息をひそめて、二人の声と言葉を聴いている。二人ともお母さんを誇りに思っている、と言ってくれた。あけぼの会の仕事で、家庭を犠牲にした悔いをずっと引きずっていたのだが、やっと、もういいのではないか、の思いに変わった。私も二人の寛容さを誇りに思う。

まだまだ裏話は沢山あるのだが、今日はこれまで。前夜からスピーチが気になって、家を出る寸前は息が詰まりそうになって、やはりこの手のストレスは今年最後にしなければ、と思った。もっと気楽なことをしたい。しかし、会場に着くと、もうみなが並んで開場を待っている。大きな期待感で来てくれている、私もやるぞ、という気になるから不思議。私はみなさんのことが好きなのだ。来年もまたしたくなったなんて、会長、はっきりして。

Mailto
akebonok@d9.dion.ne.jp

バナー広告

共同文化社

とどくすり

コム・クエスト