●師走です。毎年この時期が来るとなぜかさみしい。寒いのと、朝ラジオ体操に行くとき、まだ外が暗いから。そうでなくても、年の終わり、この「終わり」という観念がさみしい。私はひたすら忙しかった。ニュースレター、やっと入稿しました。が、年内に出来上がって、みなさんの手に届くのか、恐ろしくて、確認していない。同時進行で、「ワットさんのALS物語」(題名決まり!)の文字や言葉チェックを繰り返し、疲れ果てています。やっと出来上がりそう、しかし、これは年内は無理と諦めている。表紙もやり直したりして。

●それにしてもブログというのは、おしゃべり感覚で書くので、正式にチェックすると、いくらでもアラが出て来るもの。たとえば、マンションのことをイギリスではフラットと呼ぶ。室内に階段がなくてフラット、平面だから。それをマンションと書いたり、フラットと書いたり、統一されていなかったり、ALS病名判明も2005年11月と12月と、どっちかはっきりしなかったり、イギリス、ロンドン、タイ、バンコクと4つがその時の思いつきで使われていたり、歌詞を引用するのは許可が必要だとかの問題など、切りなくある。

●他にも、イギリス人作家が書いたお芝居について、主人公の女性が乳がんだったので、

意見を求められて、台本(英語)を送ってもらった。読み始めたら、簡単ではない。全摘手術をして、すぐに腋下リンパに転移、しかし、抗がん剤は拒否して、瞑想・食事療法だけ、それでも7年間、何も起きなかった。そこへ肺転移が判り、そのあと、首が張れてきて、喉を圧迫、食事がのどを通りにくくなっている、という病歴と現状。国は違えど、がんはがん、話の中に20年間の結婚生活の不満が噴き出て、他の男に走りそうになり・・・

●このお芝居、どこかの劇場で上演されたら、みなさん、観に行きましょう(私が結構鋭い意見を述べたので)。ヒロインを演じる女優さんは芝居にうとい私は知らない人、でも夫役はあの永島敏行という俳優さん、彼なら知っている。それにしても、人間は売れるか売れないかわからない本を必死で書いて、一字一句舐めるようにチェックしたり、人がどれだけ観に来るか来ないか、わからないお芝居を実演することに決めて、配役を決めて、役者は台詞の一字一句を覚えて、何回も練習して、こういうことが生きるということなのか。

●12月はクリスマス、私は20日に息子がいるロンドンへ行って、バンコクから先に到着している娘、孫と全員合流、今年も年末ホリデイを家族で過ごす。とても楽しみ。年が明けると、夫逝きて丸2年、いないのに慣れてきた。ただ、今頃になって、もっと生かしてあげたかったと思う。最近の私は日ごろの行動範囲が以前に増して狭まった。どこへ行くのも面倒くさいので、じっとしていることが多い。夫はいつもどこかへ行ったり人に会ったりする人だったので、私が無駄にしている時間を彼にあげたいと思ったりする。

●しかし、先月は佐渡のあと、田沢湖へも行って、あの朴さんと温泉してきましたよ。朴さんは会うと疲れるけど、会わないとすぐにも会いたくなる、そんな不思議な人。明日はあけぼのハウス、今年最後のハウスですね、やはり会員のみなさんに会うのはいつもうれしい。再発の人が主に来る。再発しても、負けていない、潔く、強い人たち。あの猪瀬さんも来ればいいのだ、引きつった顔をしてないで。バカじゃないの、潔さがどこにもない。

Mailto
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