●イギリスでは今、安楽死を法制化するか、議論が沸騰している。もともと2006年にFalconer卿の法として提唱、以来、立法化に賛否両論、物議をかもしているようだ。かなり頻繁に新聞に取り上げられていたので驚いた。現在、世界で安楽死が合法化されているのは、オランダ、スイス、ベルギー、ルクセンブルグ四国と米国内でオレゴン州など計4つの州に限られている。

●7月12日付けの新聞Daily MailにはGeorge Carey前カンタベリー大教主(英国国教の大教祖)が長年の安楽死反対を覆して、突然「法制化はキリスト教の教えに背くものではない」と宣言したので、宗教界に大きな波紋を投げかけた。(法制化を)反対し続けることは「教会が、激しい苦痛と痛みをもっと増やすようなものだ」とも言っている。
●もともと安楽死は英語でeuthanasia、しかし、assisted suicide, assisted dyingと「死を幇助する」という言い方をしている。Falconer卿の法とは「医師が6ヶ月の命と診断した患者で、患者が要望すれば、医師は死に至る分量の薬を処方できる」というもの。

●7月18日付けDaily Telegraphには、あの世界的に有名なAndrew Lloyd-Webber卿が自分の体験から考えを述べている。Catsや‘オペラ座の怪人’など、数々のミュージカルでヒット曲を生み出した作曲家、彼は数年前、前立腺がんの手術を受け、それはうまく行ったのだが、直後から足の激痛に悩まされ、14回も手術を受けた。が、そのときの絶え間ない激痛に耐えられなく、死を望み、スイスのDignitasから申込書を取り寄せるまでした。

●また、彼の母親はピアノ教師で、生涯つましい生活を通した人だった。それが、夫が67歳で急死したあと、そのショックからか、乳がんに罹った。彼女は‘闘志の人’だったが、現代医学は全面拒否して、発病5年後に亡くなった。この母親が息子(たち)に負担を掛けたくないから、安楽死をしたいと何度も頼んでいた。結局それはしなかったのだが、死後、ある男性がWebber氏に歩み寄って、「あなたのお母さんのピアノレッスンは私に大きな影響を与えてくれました」と言ったという・・・・あと続く   
ワットEmail:akebonok@d9.dion.nejpトラファルガー広場のネルソン提督像 撮影:Mr Sandy Wattトラファルガー広場のネルソン提督像 撮影:Mr Sandy Watt

 

トラファルガー広場のネルソン提督像

 

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