日時:2019年9月5日(木)13:00~15:00
会場:済生会滋賀県病院
参加:会員16名、一般6名、病院スタッフ15名  

 9月5日、まだまだ残暑厳しいなか、済生会滋賀県病院にて「あけぼのハウス」を開催しました。今回は、前半に京都府立医科大学の田口哲也教授による講演会。後半に医療スタッフの方々も参加して少人数グループに分かれての相談会という形式で実施しました。

 前半の講演会は「最新の乳癌診療2019『分子標的治療、そしてゲノム医療』」というタイトルで、分子標的薬についてのお話を主軸に、薬物療法についての講演でした。「分子標的薬+ホルモン療法」や「バイオシミラー(バイオ後続薬)」など、新しく耳にする言葉も出てきて、これからの乳がん治療の研究や進歩を予感させるものでした。

 後半の相談会では、参加者全員が3グループに分かれ、それぞれのグループでは医療スタッフを交えて活気あるやりとりが行われました。女性ホルモンと骨密度の話。術後まだ日が浅い人からの腕の痛みの話。薬物療法と副作用の話。術後や化学療法中の下着や爪のケアの話などが話題に上がり、それぞれ医療的、経験的なアドバイスがありました。また、実際にその場で体を動かしてリハビリ運動が行われたり、おすすめの下着の話や爪の補強にはファッション用の爪シールも良いなど、具体的な話が出てとても参考になりました。

 どのグループも、参加者が日頃感じている不安や心配なことを積極的に語り、真剣に耳を傾け、時には笑いもあったり、時間が足りないほどの盛り上がりを見せました。
 田口哲也先生は永年の乳がん診療の経験から、初期治療をしっかりすることがいかに重要であるかという話をされ、誰もが経験する初期治療の重要性を改めて心に刻みました。
 今回は3名の乳腺外科医、研修医1名。乳腺治療に携わってくださっている多くの医療スタッフが参加してくださり、非常に貴重な集まりとなりました。終了後の皆さんの笑顔を見ていると、語りあうことで悩みや不安を和らげる「あけぼのハウス」の本領を発揮できたと感じました。
【報告】渋谷幸子 akebonoshiga@gmail.com

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