あけぼのハウス 4月24日
「日本の乳がん・現状と展開」
―若年乳がん患者のサバイバーシッププログラムについてー
そして、最近特に思いがある「再発治療」についても
講師:大野真司先生(がん研有明病院・院長補佐・乳腺センター長)
●北九州で生まれ福岡で育ったという話から始まりました。最近の温存手術症例数は、2010年をピークに減ってきて、全摘→再建に変わってきている、先進国は50歳以上が多いが、日本では、39歳以下が全体の8%になっている、とのお話でした。
●患者のための乳がん治療に触れ、「患者の声」として、卵子凍結の患者さんが「卵が待っているから、治療をがんばれる」と言われたそうで、これは若く乳がんになった方の、切実な思いと、印象的でした。
●先生が福岡で10年前にスタートさせた「未来プロジェクト」のビッグテーマが「10年先のチーム医療を拓く」。医の原点を掲げ、医師のゴールと患者のゴールが違うことから、体験者の声を重視するために、福岡のあけぼの会会員がグループ別テーブルに同席して、意見を述べていることも話されました。
●乳がんが発症しない・乳がんが再発しない・乳がんが再発しても治る、を目指しての今と未来、未来をどうするかの希望のあるお話でした。
●お話の中で患者の声をいくつか紹介して下さり、患者との距離の近さ感じ、先生の患者さんは身も心も救われた気持ちになるだろうな、と、温かい気持ちになりました。いくつもの質問に、真剣にきちんと答えて下さり、会が終わってからも、列を成した人たちの個人の質問に答えてくださっていました。
●大野先生のお人柄で、ほかほかとした余韻が心地よい一日になりました。 (報告:宇田川光子・あけぼのハウス・レギュラースタッフ)