IMG_0624日時:6月10日(土)14:00~15:30 
講師:川口 順敬先生(朝日大学病院乳腺外科 教授)
参加:医師1名、会員14名、家族1名
あけぼの岐阜代表 橋渡智美 Email : akebonogifu_net@yahoo.co.jp 

 今回は、川口順敬先生をお迎えして、会員限定でオンラインでの「勉強会」-乳がん治療の基礎と治療の変化―を開催しました。
 川口先生は、日本乳癌学会学術総会(6/29~7/1開催)で発表されます。その準備でお忙しい中にも関わらず【あけぼの岐阜】のために多数のスライドを事前に作成され、基礎から最新の治療まで幅広く教えてくださいました。下記はその内容の概略です。

1. 乳癌の基礎知識 
 乳がんができる部位。乳がんの発生と進展。乳がんと女性ホルモンとの関係。

2. 手術療法の変遷
 ハルステッド手術 → 胸筋温存乳房切除術 → 乳房温存療法 → センチネルリンパ節生検 → 手術省略?

3. 薬物療法の変遷
 乳癌の性質(サブタイプ)に合わせた治療が重要→個別化治療への発展。
*ホルモン感受性の有無 *HER2遺伝子の過剰発現 *癌の増殖能(Ki67)*BRCA1/2遺伝子変異の有無
 新しい内分泌治療薬、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤、PARP阻害薬が保険適用になり、それに伴い一次治療、二次治療、三次治療で使用する薬物が変化してきている。

4. 最近の話題
 乳がん遺伝子検査「オンコタイプDX」について。遺伝性乳がん・卵巣がん症候群についてとこれからの課題。
 川口先生の講義後の質問タイムで、会員のひとりが「術後10年の標準治療が終り、主治医からもう来なくていいと言われて寂しい。」と発言しました。先生は、がん拠点病院などでは乳がん術後10年で終了となることが多いが、一般の方よりリスクが高いので主治医とよく相談して、今後も、乳腺専門クリニックや一般的な検診で年に一度、マンモグラフィ、エコーなどをすることが好ましいと話されました。また、ホルモン受容体陽性の方が、10年以上経過して再発(晩期再発)するケースも少なくないということも教えていただきました。

【参加者からの感想】
・改めて乳がんの基礎知識の勉強をさせていただき、自分自身が告知を受けた頃に比べて治療法が随分変わってきていることを実感しました。また、新たな会員さんの為にも、「勉強会」の必要性を感じました。
・お話の内容が専門的で難しい部分もありましたが、先生から新しい治療法を聞いて、病状がどのような状況にあっても前向きに考えられる気がします。これからも継続して学んでいく大切さを感じました。
・質問しやすい雰囲気の中で、会員の皆さんと勉強できる機会は有難く、先生には感謝です。
・乳がんがどこに発症し、どのように転移していくのか、多岐にわたる治療法など分かりやすく学ぶ事ができました。また、他の会員の方々から新薬について積極的に質問がでて、深く学ぶことができました。
・闘病中にもかかわらず、先生のお話を病室から聴いている仲間の頑張る姿に励まされ、私も新しい情報を取り入れていくよう努力したいと思いました。  
・久しぶりに川口先生のお顔を拝見し、新薬や保険適用になった薬の情報を得ることができて嬉しいです。

 

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