今年の我が家の神秘、シンピジウム<br>  ――植え替えしないのに20年以上咲き続けています <br> (2021/2/2)今年の我が家の神秘、シンピジウム
――植え替えしないのに20年以上咲き続けています
(2021/2/2)
コロナの話はウンザリですが、また緊急事態が順延になり、強制蟄居が続きます。イタリア語のクラスがお休みだと勉強しないので、全部忘れてしまいそう。でもこれはぜいたくな悩みで、お店や旅館など、人が来ないと売り上げがない商売の人たちこそ、生きるか死ぬかの緊急事態ですよね。少しくらいの補助では到底間に合わない。欧州で自粛に反対して暴徒がデモをしていますが、あれはただ外出を自由にさせろと言っているみたいですね。

最近、一人でいると昔を回想することが多い。私が初めて国際会議に呼ばれたとき、アメリカの製薬会社がスポンサーだったのですが、まだ〈あけぼの会〉がスタートして間もないころ、「日本に乳がんの患者会があるか」とアメリカから厚生省に聞いてきたそうです。厚生省は対がん協会に聞いて、私に辿り着いたという運びでした。直接レターだったか、やり取りして招待され、一人でイタリアのヴェニスへ行きました。インターネットなどない時代。

ヴェニスは映画「旅情」で知っていたので、どんなにうれしかったか、一人旅などものともしなかった。水の都ヴェニス、みなさん、よく知っているでしょう。行ったことある人も「旅情」も観た人も大勢いるでしょう。監督は、あのデヴィッド・リーン、ご存じ『アラビアのロレンス』『戦場に架ける橋』『ドクトル・ジバゴ』など大作を手掛けたイギリス人、流れるようなテーマソングもよかった。しょっぱなのシーン、主演のキャサリン・ヘップバーンがヴェニスに着く汽車の窓から身を乗り出してシャッターを切り続ける格好がよかった。

いつも古い映画の話でスミマセン。でも思うに、クラシック音楽が永遠なのと同じようにクラシック映画も永遠なのではないか?何本、と絞れなくても永遠に残る映画もアリ、と思うんです。いつか「あなたの忘れられない映画」募集、と集めてみたい。その会議で初めて日本の活動について話しました。うまく出来た。私は英語はスラスラではないですが、説得力のある話し方をするので、非常に印象的だったとほめられることが多かった(ホントの話)。その後、何回、いわゆる国際学会に招かれたか、今思うと実に光栄なことだった。毎朝ラジオ体操で会う85歳のおばあさんは世田谷区から出たことがないと笑っている。

イタリアのトリエステという港町に行くとき、ミラノ空港で8時間も乗り継ぎを待ったこともあり、アメリカのアトランタでは天候のせいで、いつ飛ぶかわからないニューヨーク行きの飛行機を、これも8時間位待ったことがあった。私はこらえ性のない人間だが、こういう時は逆らわない、じっと待つ。他の人も待っているのだから、と自分に言い聞かせる。私がイタリア好きな理由は何となくだが、来世はイタリア人と結婚することに決めている。 ――他愛ない話になりましたが、みなさん、退屈しているかな、と思ってお喋りしました。    takakowatt@gmail.com 

今日の一首:イタリアに住みたし夢想捨てきれず 猫にマリオと名付け春待つ       
                    

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