アメリカに住んでいて、再発治療中の浅海さんからリポートが届いた。ご主人がアメリカ人でそれはそれはやさしい人、妻の面倒な再発治療にとことん付き合ってくれている。治療費がバカにならない国なのに、必要な治療は何でも受けさせてくれている。私がここで日本を代表して、ありがとう、を言いたい。言葉や考え方の違い、病院での対応のもどかしさ、そんな中で一人で奮闘しなければならない。望郷、孤独、日本に帰りたい。しかし、自分を心から愛してくれる夫が付いている。愛に国境はない、米国でがんばります。

 

 脳の治療で家の中で横転するような状態になっても、時を見てリポートを送ってくれる浅海さんが「会長さんのブログ、待っています」と言う。私はどこも悪くないのに、財布をなくした口惜しさから立ち直れず、外出恐怖症、家の中ですねている。恥ずかしい。奇しくも同じ日に、群馬に住んでいるバフトンさんという英国人の夫を持つ会員からもメールが届いて「私も楽しみにしている一人です」と言う。韓国人に嫁いだ会員、香港に住んでいる会員もいる。あけぼの会はインターナショナル、会としてもっと国際交流をしたい。

 しつこいのですが、私の財布ね、あれは落としたのではなく、掏られたのです。スーパーで財布から支払いをしていた時から目をつけられていて、外へ出てから隙を狙われた。見ていると、こっちの人は余りキャッシュで支払いをしていない。登録番号か何かをちょんちょんと打ち込んで、はい、おしまい。だから現金を出した日本の旅行客おばさん(一見小金持ち風)に狙いをつけた。左手に持っていたのがスーッと消えた一瞬が確かにあった、今になってそんな気がする。敵はプロ、悔しいがあっぱれ、これからは気をつけます。

 来週水曜29日にこちらを発って帰国することに決めた。気が重いので、堂々と言えない。何も片付いていないまま、帰るので気が重い。いても私には発言権はあっても、決定権がない。だから何を言っても事が決まらない。私は何でも一つずつぱっぱっと決めて、次々と片付けていきたいのに、何も動かない。息子が病人をホームに移すのに激しく反対しているのだ。誰かに説得してもらいたいと思っても、関係ない人になぜ相談なんかするのだ、と叱られる。ホームに入れることイコール死期を早める、と確信しているので厄介だ。

 確かにそうかもしれない。しかし、いつまでもみなが病人一人のために自分たちの生活を犠牲にして、先の見えない日々を続けるわけには行かなかろう。ところが、彼は犠牲とは思っていない。このまま、病人が家で死ぬまで、今までと同じようにすればいいと言う。しかし、高い家賃がもったいない。お金が底をつきそう。有り金は少しでも残して分配してほしい。子供たちもお金はあったほうがいい。息子はお金はダディのものだから、最後まで使えばいい、と主張。無欲で先のことも考えない、こんな人も困ってしまう。

 先日、空室がないといわれたあの施設に、特別に話を通してくれた人がいて、空きを一つ抑えた、と言われたのが一昨日。喜んだのも束の間、息子の反対に遭って、娘と私は神様に手を合わせている。即断しないと、この次なんて言ってたら、ほぼ絶対に入れないのが目に見えている。この天から降った幸運を逃がすなんて、ああ、歯がゆくて体が痛い。