今ロンドンは元旦ですが、日本は元日の夜になるところ、とにかく今日中に新年のご挨拶を送りたくて書いています。2009年は1年365日があっという間に過ぎた年でした。何を成したか、問うても答えが見つからない。あけぼの会の仕事も思うようにはかどらなかった。ロンドンでの日々もただ気が重かっただけだった。そんな合間に感動の瞬間はあったかしら。ありました、10月の「秋の大会」は超感動だった。とにかく楽しかった。息子とのパリ旅行も宝の思い出になった。私は「人生のリッチ度は感動の度数」と決めている。

 しかし、成田~ヒースローの往復も丸4年の間、トータルで何回になるでしょう。誰か、私の連載から拾って数えてくれませんか。パスポートを見ても、スタンプがあちこちしていて、出国と帰国を照合するのが至難のわざ。ANAにはかなりの投資をしていますね。他のエアラインで格安フライトがあっても、やはり空港でラウンジが使えたり、エコノミーのチケットでプレミアムに昇格したりする旨みは1万円位の差なら、換えられない。生涯節約主義を通しましたが、この年だもの、飛行機には少しの贅沢を許しています。

 病人は27日から自宅に帰って、正月3日までお泊り、3日の夜にはまたホームの人になる。子供たちも完全に連れ戻すことは諦めた様子なので、ホッとしている。娘がヨーグルトを食べさせても、半分は飲み込めない。口からはもう無理。家で起こしても車椅子で首を深く垂れたまま座っているだけ、時々、だれかが思い出したように話しかけるが、反応はない。しかし、夜ベッドで寝かしつけると、みんなを見て、顔をゆがめて泣き顔になる。もう涙は出ない。どこに誰といるかがわかる程度の意識は残っている。

 年明けのイギリスはとにかく寒い。日本も元日から日本海側が大荒れだそうね。NHKがトップニュースで高知の室戸岬辺り、狂った大波がバシャンバシャンと打ち寄せている光景を繰り返し写しているんではない?こちらは大晦日に小雪が降り出して、それが車にガチガチにへばり付いている、凍てつく寒さ。室内は全館暖房なので、まずは暖かいが、その分、空気が乾燥して喉をやられる。昨日は生姜をすって蜂蜜入れて飲んで、ルル3錠ものんだ。今、風邪など引いている余裕はないのです。勿論ホカロンも2枚貼ってます。

 余談ですが、ホカロンは空港のセキュリティチェックに引っかかるのを知っていますか。腰に貼っているので余計自爆テロスタイルに見えるらしい。先日のナイジェリアボーイのテロ未遂事件以来、さらに厳しくなっているので、今度の帰国時のもろもろ検査が今から思いやられる。でもバカらしいのは何か起きると、すぐに警備強化、罪なき人たちまで罪人扱いして調べまくる。今回のテロ未遂は父親からわが息子があやしい、と報告があったのに真に受けず、看過した。第一、空港でアメリカまでの片道切符をキャッシュで買って、しかも死ぬつもりだから手荷物一つだけ、これが異常でしょ、誰も疑わなかったわけ?

 時代はすべて機械化されても、最終的には人間の勘が勝つ。勘こそ生きる醍醐味。今日は新年の抱負を述べるつもりが横道に反れました。抱負は追って考えます。帰国は11日(月)発に決めた。日曜に発つと、みながさみしがると思って、月曜にしたやさしいお母さん。