●今、エンゲルベルト・フンバーディンクのCDを聴きながら、書いている。トムジョーンズとか、覚えている人がいたら、同年代ですね。あけぼの会の事務所でもCDを掛けて、仕事をしていることが多いんですよ、音楽はやはり癒し、この、とげとげしい仕事を35年も続けていると、人格が変わってきたかと思う。人格って、変わるものなのだろうか。
●この長い年月、私の頭の中から、あけぼの会が消えることはなかった。うっかりして、考えていない瞬間があると、まごついてしまう。いつも何かに追い立てられて、何か難しいことをしなければならなかったはずなのに、とそれを思い出している。私の頭の中であけぼの会を一つにおさめておかないと霧散してしまうような脅迫感。こんな圧力、普通の神経では耐えられないと思う。なんだろうか、私のこの耐える力、意志。フンバーディンクのCDが丁度「Release Me」(私を解放して)の歌に順番が回ってきた。私も解放して!
●あけぼの会は今、年会費を納めてもらって「会員名簿2013」作成に入っている。「AKEBONO NEWS No.130」の原稿も集めて、出来るだけ早く仕上げるよう、少しずつだが進めている。「母の日キャンペーン」、全国の支部宛に荷物を発送する大仕事は済んだ。(スタッフ3人が丸一日掛けての肉体労働、半端ではなかった)今月の「あけぼのハウス」の参加希望も受け付けている。その上に、年一回のホームページの更新時期なので、一つ一つに目を通して、改定個所を抜き出して、改定案をまとめている。秋の35周年大会のメインの資料(35年の歴史を画像で)作成を始めないと間に合わなくなる、などなど・・・
●ニュースレターには毎回ドクターの講演収録を載せるようにしていて、これが会員から「わかりやすい」と好評なのだ。が、話し言葉をテープ起こししたものを一字一句追いながら、ダブっていれば一つにして、・・・でございますは・・・ですに直し、どんどんどんどんとか、どんどんが続き過ぎたら 、どんどんを一つ省いてすっきりさせ、内容も理路整然となるよう、私が容赦なく手を入れている。最近はどの先生もスライドを見ながら話をされるので、「これが、この赤い線が、」とか、画像がないと意味をなさない個所が多い。
●この作業は実に頭脳消耗の大仕事。何でも喋ったまま載せるならいいのだけど、不要な言い回しや繰り返しが結構多いので、紙面の都合上、それらは省きたい。しかし、全知全能を集中して取り組むので、きつ過ぎて、脳が悲鳴を上げている。
●ただ、先生がたの話した言葉をぶっ千切るなんて、本来なら恐れ多くて許されないことができるのは私しかいない。でも、話はわかってなんぼのもの、ですよね。ただ文字を並べればいいものではない。そして、文章には主語があって、結論がある。約束事なのだ。だから、何度も読み返して、話が通じる確信を得るまで、手を抜かすに手を入れる。
●実は、私にはもう一つ抱えている仕事がある。言うも恐ろしい、あのロンドン便りがいつか一冊の本になる予定で、必要な説明文を編集者に言われるままに書き足している。しかし、他の用事が片付かないと頭の切り替えができないので、他を優先させていて、全く進んでいない。今、自宅なのだが、目の前に夫の写真がこっちを見ている。そう、彼のためにどうしてもしなければならないのだ。CDが終わって、静寂の中に夫と二人でいる。