●先週の木曜日にはバングラディッシュの乳がん専門ドクターが訪ねてきた。同国大使館員の男性と一緒だった。Dr. Hasinaという名前でメール予告があり、シンガポールで一度会ったと書いてあったが、てっきり男のドクターだと決めていた。それが会ったら女性ではないか。顔を見てすぐに、シンガポールの乳がん専門ナース、サラの親しい友人だったことを思い出した。何しろ10年以上前のこと、日本からあけぼの会の会員が30人くらい行って、シンガポールの患者会と交遊パーティをした時に会った人だった。
●一緒にランチをすることになり、私が近くのタイレストランへ案内しようとすると、日本食がいいという。天ぷら、刺身のほうがいいのだそう。そこで、筧(かけい)という天ぷら屋さんに行って、ランチ定食を頼んだ。彼女は箸が使えない、みそ汁もスプーンが必要だった。バングラディッシュではインドみたいに手を使うのだろうか、まあ、それは良しとして、あの国には国民医療保険がない。民間の保険はあるのか、いずれにしても皆保険ではないので、今でも手遅れ状態で病院へ来る患者が後を絶たないという。
●患者会の様子をDVDで見せてくれた。サリーを着て、ふくよかで、裕福そうな女性ばかり。聞けば、リッチとプアーの中間層が先生の病院(Euro-Bangla Heart Hospital)に来るそうで、超リッチは大概がシンガポールの病院へ行くのだという。リッチはどこでも行けばよい、それよりプアー層の乳がんをどうしているのか知りたかった。もし嫁の立場なら、病院へ行きたくても口にも出せないだろう。何しろ、お金がかかることだから。こういう話題は微妙なので、プアーではないハシナ先生にはしつこく聞けなかった。
●バングラに招待された。でもあけぼの会の会員は誰もこの国には行きたがらないだろう。どんな国か、知らない人が多いはず。観光名所で騒がれない国に行きたがらない日本人。韓国だって偏見を持っている人がいる。今や日本なんて、出るとこへ出れば負けるのに。
11月にはバンコクで大きな集まりがあって、バングラから行くので、日本からも行かないかと誘われた。11月なら、大会も終わるし、行くか。大使館員のMr.Islamが瀬田の自宅に近々、食事に招待してくれるという。これが楽しみ、バングラ家庭料理が食べたい。
●先々週の水曜日にはアメリカから来た男性2人+スイスからのフランス人女性、計3人と朝10時に渋谷のホテルのティラウンジで会った。オンコタイプDXの会社の人たち。日本でこの検査を普及させるには何が障害か、の話を主にした。私が話をよく理解していたので、彼らはとても満足した。外国人との会話は、主語述語目的語の順に文章を整理して、話し、聞かれたことのポイントは何か、さっと判断して、的外れではなく的確に答える、これは技術。正確で効果的な単語が浮かべばよし。この日は頭にパンチ、刺激をもらった。
●帰り際、エレベーターを待っている時、フランス女性が「あなたの香水はカレーシュか」と聞いた。えっ、なんだかわからずに着けてきたのに。帰って確認して返事します、と言って別れた。それがズバリ「Caleche」というエルメスのオーデコロンだった。どうして彼女は当てたのか、名前も知らずに長い年月、ただ振り掛けていただけの私、恥ずかしい。やはり、フランスの女性は違う。ちなみに彼女の香水は「ボヤージュ」だと教えてくれた。