image_6487327 (2)日時:3月4日(土)13:30~15:30
講師:徳丸 剛久先生(岐阜大学医学部附属病院:乳腺外科 特任講師)
参加:医師1名、管理者1名、会員8名
あけぼの岐阜代表 橋渡智美 Email : akebonogifu_net@yahoo.co.jp 

今年度最後の行事として「あけぼの岐阜」では、徳丸剛久先生をお迎えしてオンラインでの「相談会」を会員限定で開催しました。事前に相談内容は先生にお渡ししていたので、司会者が質問を読み上げた後、先生がスライドを事前に用意して下さって解答する。参加者がそれに対してさらに質問を重ねるという流れで、スムーズに進行しました。

スライドはおもに「 乳がん診療ガイドライン2023」から引用されていて分かりやすかったです。

7名の方の事前相談がありましたが、そのひとつを紹介します。

Q1:遺伝子検査とゲノム検査の違い。また、保険適応でいくらかかりますか?

A1:一部のがんでは、1つまたは少数の遺伝子を調べる「遺伝子検査」(HBOC検査など)を行い、検査結果をもとに薬を選ぶ治療が、すでに標準治療として行われている。「がんゲノム医療」として、多数の遺伝子を同時に調べる
 「がん遺伝子パネル検査」(NCCオンコパネル、がんゲノムプロファイル)は、その一部が保険診療として、標準治療がないまたは終了した(終了が見込まれる)などの条件を満たす場合に行われている。
 「HBOC検査」の費用は3割負担の場合 6万600円 
 「がん遺伝子パネル検査」の費用は3割負担の場合 16万8千円 ※高額療養費制度の対象となる場合がある。
 他には、乳房切除後症候群、乳がん薬物療法の心臓への影響、腋窩リンパ節郭清術、出産間近の姪(母親と叔母が乳がん)の乳がん検診時期、蜂窩織炎、乳がん再発転移の治療について相談がありました。
 事前相談が終り、残り30分となってからも造影剤アレルギーがある場合の検査方法、視触診の有無、HBOC検査の現状etc.と次々に時間いっぱいまで質問が出ました。先生は、どの質問にも真摯に向き合ってくださり優しく丁寧にお答えになられました。先生のお人柄のおかげで、終始、和やかでアットホームな「相談会」になりました。

【参加者からの感想】
・他の方の悩みが自分にも当てはまり参考になりました。有意義な時間が過ごせました。
・何回聞いてもゲノム医療や遺伝子が理解できずにいたので、先生の話を聞いて理解でき胸のつっかえがとれました。
 病院の外来担当医師には時間が無かったり、今更こんな事を聞いていいのかと遠慮してしまいます。今回、相談して良かったし、今後も相談会の必要性を感じました。
・相談会の次の日に出産した姪の乳がん検診は、いつ頃受けられるか?という難しい質問に、先生は本当に誠実に考えて答えて下さり嬉しく思いました。優しい語り口で質問しやすく、今後もあけぼの岐阜の相談にのって欲しいです。
・入院となりベッドからの参加でした。先生に検査結果を見てもらい判断を頂けるという、まさにセカンドオピニオンの回答をいただくことができました。痛み止めも驚くほどの種類があることがわかり、安心しました。これからも、新しい薬や治療法が出てきます。それを知り選択し安心するためにも、今回のような勉強会の重要性を感じました。
・蜂窩織炎についてガイドラインなどに書かれている事だけでなく、先生のご経験やお考えなども含めて丁寧にお答えいただいたので、ずっと疑問に思っていた事がスッと解決しました。
・先生やみなさんのお話を聞いて、右乳癌全摘、腋窩リンパ節郭清の手術を頑張ろうと思えるようになりました。
 その後起きるだろうと思われるリンパ浮腫のことも、詳しく説明して頂いてわかりやすかったです。